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東京カレンダー

東京カレンダー 表紙
最新!! 1月号
11月21日発売
東京カレンダー

 
大沢たかおの味な時間 vol.6 ─ カリフォルニア編(4)

特別編1 芳醇なるワインの里へ「幻ヴィンヤード」
 

情熱の証を知る、樽熟庫でのテイスティング

実は私市さんには絵を描く才能がある。シャガール好きで、『幻』ワインのラベルも、シャガール的なタッチで、私市さん自身がデザインをし、描いたものなのだ。そのラベルには、青い鳥と赤い羊が描かれている。青い鳥は、ナパのナンバーワン・ワインと称される『スクリーミング・イーグル』を意味し、赤い羊は、ボルドーのナンバーワン・ワインである『シャトー・ムートン・ロートシルト』を意味するという。カリフォルニアとフランスの2大巨頭にも劣らぬワインを生み出すという私市さんならではの気概が、このラベルに込められていたのだ。

その夜、私市さんは、バーベキューで、僕をもてなしてくれた。次々に『幻』を開けては、いろいろな話題に花が咲く。奥様との出会いは、関西の大学に通っていた頃のナンパだったこととか、カリフォルニアワインの場合、批評家は偶数年より奇数年が当たり年だというが、自分は必ずしも同意していないことだとか。そんな話を喜んで聞いていると、彼からさらに嬉しいひと言をもらった。

「明日は、醸造所を案内するよ」
 

大沢たかおの味な時間 vol.6 ─ カリフォルニア編

というわけで、翌日は、セバストポールから車で30分ほど移動したヒールズバーグという町にある 『ミッシェル・シュルームバーガー』というワイナリーを訪れることとなった。もともと、このワイナリーでの醸造過程で行う検査を私市さんが担ってきたという縁から、『幻』の醸造もここで行うようになったそうだ。私市さんの畑で栽培された葡萄は、ここでつぶされて、発酵を始める。そして、樽詰めした後に一定期間寝かせ、状態が落ち着いてからバランス良くブレンドされ、最後に瓶詰めして出荷されるのだ。この醸造過程を直に見ることができたのも、僕には、とても印象深い出来事となった。とりわけ、熟成中の樽から私市さんが汲み取ったワインを、その場でグラスに注いでもらい、テイスティングさせてもらったのは、本当に貴重な体験だった。
 

『幻』の醸造を行っているワイナリー『ミッシェル・シュルームバーガー』。その洒落た外観からも感性の良さが伝わってくる
『幻』の醸造を行っているワイナリー『ミッシェル・シュルームバーガー』。その洒落た外観からも感性の良さが伝わってくる
 
大沢たかおの味な時間 vol.6 ─ カリフォルニア編

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